「福島県内には、どのようなスズメバチがいるのでしょうか?」「その中で駆除依頼が多いスズメバチは何でしょうか?」「駆除依頼が多い現場とはどのようなところでしょうか?」そのような疑問にお答えします。
福島県内で駆除の依頼が多いスズメバチの種類
福島県郡山市でスズメバチの生息調査を2年間(2006年と2007年)行いました。その結果・・・
郡山市に生息を確認したスズメバチの種類は、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、チャイロスズメバチ、クロスズメバチ、シダクロスズメバチの8種でした。
福島県内に生息する主なスズメバチ
1:オオスズメバチ、2:コガタスズメバチ、3:キイロスズメバチ、4:ヒメスズメバチ、5:モンスズメバチ
身近にいる警戒すべきスズメバチ
1:オオスズメバチの女王蜂と働き蜂
2:コガタスズメバチの女王蜂と働き蜂
3:キイロスズメバチの女王蜂と働き蜂
福島県内で、わたしが依頼を受けてスズメバチの巣を駆除してきた限りでは、駆除依頼数と刺される事故が圧倒的に
キイロスズメバチが多く、次いで
コガタスズメバチでした。
そして、キイロスズメバチやコガタスズメバチほど駆除依頼数は多くはないですが、秋になると駆除依頼が増えてくるのが
オオスズメバチです。
キイロスズメバチとコガタスズメバチは、駆除依頼件数と刺される事故が最も多く最も警戒すべき、すぐ身近にいるスズメバチです。
また、オオスズメバチも警戒すべき身近なスズメバチです。
福島県内で駆除依頼が多いキイロスズメバチの駆除現場ベスト5
1.建物の軒下に作る巣

軒下に作ったキイロスズメバチの巣(福島市、2011年9月下旬)
2.土の中に作る巣

土の中に作ったキイロスズメバチの巣(福島県石川郡、2011年7月下旬)
3.壁間に作る巣

壁間に作ったキイロスズメバチの巣(白河市、2013年8月中旬)
4.樹木・庭木・生垣などに作る巣

樹木に作ったキイロスズメバチの巣(福島県西白河郡、2010年10月下旬)
5.天井裏に作る巣

天井裏に作ったキイロスズメバチの巣(郡山市、2010年10上旬)
福島県内で駆除依頼が多いコガタスズメバチの駆除現場ベスト3
1.樹木・庭木・生垣などに作る巣

生垣に作ったコガタスズメバチの巣(喜多方市、2011年8月下旬)
2.建物の軒下などに作る巣

軒下に作ったコガタスズメバチの巣(会津若松市、2013年9月上旬)
3.小屋や車庫などの内部に作った巣

物置小屋に作ったコガタスズメバチの巣(福島市、2010月7月下旬)
4.逆トックリ型の巣(コガタスズメバチの女王蜂が単独で作り上げた巣)
庭木に作った逆トックリ型の巣
郡山市、2011年6月下旬
軒下に作った逆トックリ型の巣
いわき市、2009年6月上旬
福島県内で駆除依頼が多いオオスズメバチの駆除現場ベスト2
1。土の中に作る巣

土の中に作ったオオスズメバチの巣(福島県西白河郡、2013年9月中旬)
2.樹洞に作る巣

樹洞に巣を作ったオオスズメバチ(福島県会津、2011年10中旬)
アシナガバチ駆除の現場
福島県内で駆除依頼が多いアシナガバチの種類
福島県内で、わたしが依頼を受けてアシナガバチバチを駆除してきた限りでは、
キアシナガバチが最も多く、次いで
コアシナガバチ、
フタモンアシナガバチと続きます。
アシナガバチは、スズメバチほど凶暴ではありませんが、刺される事故が多いです。
キアシナガバチ駆除の現場
アシナガバチ駆除で一番多い依頼はキアシナガバチです。アシナガバチの中では身体が大きい種類で、キイロスズメバチとよく似ているので目立ちます。初秋になって巣が成熟して新女王蜂や雄蜂が羽化してきて、それらが巣全体を覆うようになると巣に迫力が出てきます。
コアシナガバチ駆除の現場
コアシナガバチは茶色っぽい小さなアシナガバチです。巣もそんなに大きくならず目立たないので、巣があることを知らずに刺激してしまい刺されることとが多いです。ホースや通路の壁などにも巣を作るので注意が必要です。
フタモンアシナガバチ駆除の現場
フタモンアシナガバチの名前は腹部に2つの紋があることから来ているようです。巣を作る場所は軒下や壁などの開放的な空間だけでなく、室外機や車のドア部分など、ちょっとした隙間から潜り込めるような閉鎖空間にも作ります。
ミツバチ駆除の現場
福島県内ではミツバチに関するお問い合わせは、ほとんどがニホンミツバチのことで、セイヨウミツバチに関することはときどきくる程度です。
ニホンミツバチは古来から日本にいた土着種です。セイヨウミツバチは明治時代に養蜂のために移入されました。
ニホンミツバチはおとなしく、めったなことでは刺しません。
ニホンミツバチは、樹木の洞、お墓の納骨室、屋根裏、床下などに巣をよく作ります。
一方、セイヨウミツバチは、ニホンミツバチと違って日本では野生化できないようです。
ニホンミツバチが初春に分巣(巣分かれ)するため、たくさんのミツバチが集団でブンブンと飛びまわる光景に驚かれることがあります。
また、秋になるとオオスズメバチがニホンミツバチの巣を集団で襲うようになります。
福島県内で駆除依頼が多いミツバチ駆除の現場
ミツバチの分蜂群
ニホンミツバチの分蜂群
本宮市、2010年7月中旬
セイヨウミツバチの分蜂群
本宮市、2013年7月上旬
ミツバチの樹洞およびお墓の納骨室の巣
ニホンミツバチの樹洞の巣
福島県岩瀬郡、2011年5月上旬
ニホンミツバチのお墓納骨室の巣
須賀川市、2010年4月中旬
ミツバチの屋根裏および床下の巣
ニホンミツバチの屋根裏の巣
福島市、2011年6月中旬
ニホンミツバチの床下の巣
福島県岩瀬郡、2013年4月下旬
ミツバチの巣を襲うオオスズメバチ
床下のミツバチの巣を襲うオオスズメバチ(西白河郡、2009年10月上旬)
樹洞のミツバチの巣を襲うオオスズメバチ(福島県会津、2011年10月中旬)
その他のハチの駆除現場
オオハキリバチ駆除の現場
オオハキリバチは、20ミリを超える大型のハチで、胸部に黄色い毛があって頭や身体が黒くて大きいため、他のハチとは違う恐ろしく見えます。
実はおとなしくて、人を攻撃することはありません。
しかし、いちおう毒針を持っているので素手でつかむと刺される可能性があります。花蜜と花粉を食べます。
板壁のすきま、天井裏の垂木のすきま、枯れ木の既存孔、竹、ヨシやビニールパイプなどの管に営巣します。巣材は松ヤニなどの樹脂を集めて利用するようです。

オオハキリバチが壁の既存の穴を出入り口にして壁間に巣を作っていた!
福島市、2011年9月上旬(左写真),福島市、2010年7月中旬(右写真)
クマバチ駆除の現場
クマバチは、20ミリを超えるずんぐりした大型のハチで、全身が黒くて胸部に黄色い毛があるので目立ちます。
「ブーン」という音を立てて体つきに似合わない安定した飛行をします。
花蜜と花粉を食べます。
身体が大きくて飛ぶ音が大きいため、他のハチと違って恐ろしく見えますが、おとなしいハチです。
しかし、いちおう。毒針を持っているので素手でつかむと刺される可能性があります。
クマバチのメスが木造家屋の垂木や太い枯れ枝などに直径1cmほどの穴をあけ、さらにそこから細長い巣穴を掘って巣を作ります。
巣穴がドリルで開けたような仕上がりなので英語で大工蜂という異名があるほどです。

クマバチが駐車場の骨組み材に直径1cmの巣への出入口穴を開けています! 郡山市、2012年5月下旬