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スズメバチは、アシナガバチとは比較にならないほど攻撃的で刺傷被害も大きいです。アシナガバチの中には、攻撃性が強いキイロスズメバチに酷似した種類もいます。
そのため、スズメバチとアシナガバチを識別できずに初期対応を誤ればたいへんなことになります。
スズメバチとアシナガバチを見分ける以下の5つのポイントを紹介します。
(1)「蜂の巣の比較」、(2)「巣を作る場所の比較」、(3)「飛ぶ様子の比較」、(4)「胸部と腹部のくびれの比較」、(5)「顔の比較」
蜂の巣の形状は、スズメバチとアシナガバチを見分けるのに最も確実で容易な方法です。
アシナガバチの巣は,半球状のおわんを逆さにした形のものが多いです。アシナガバチの種類によって「コアシナガバチ」のようにちょっと変わった形の巣もあります。
アシナガバチの巣は六角形の育房室というハチの子供を育てる部屋がきれいに並び(巣盤)、その巣盤は一段しかなく、その中はまる見えです。
巣の色はさまざまですが、薄い茶色や灰色のものが多いです。アシナガバチの巣は植物の繊維質で作られ和紙のように丈夫で軽いです。
一段しかない巣盤の一つ一つの育房室をのぞくとハチの子の発育状況もわかります。それぞれの育房室には、ゴマ粒よりも小さな卵、脱皮するごとに大きくなる幼虫、育房室にふたをしたような蛹が入った白い繭が見えます。繭の色は、多くのアシナガバチの種類で白色ですが、キボシアシナガバチのように黄色の繭である場合もあります。
アシナガバチの巣には、おおい(外被)がないので、ボコボコと穴がたくさん開いてるように見えます。また、巣内が露出して隠れ場所がないので、巣の上に成虫がいつも群がっています。
アシナガバチの巣の大きさは、アシナガバチの種類や同じ種類でも個体差があって大小さまざまです。これまで見てきたアシナガバチの巣で最も大きかったのは、直径15cmほどでした。
スズメバチの巣は,材質が木材の外皮や木質でできたボール紙状であり,集団が大きくなるほどみるみるうちに大きくなります。そして、巣内の巣盤が何段にも重なってゆきます。
巣の色は薄い茶色から濃い茶色であることが多く、きれいなマーブル模様や縞模様になっていることが多いです。
スズメバチの巣には、巣盤を隠すように覆っている外被があります。巣の型は種類によって異なり、「巣の底が抜けた釣り鐘型」「球型」「半球型」などさまざまです。
身近に巣を作ることが最も多い「キイロスズメバチ」と「コガタスズメバチ」を例にとって紹介します。「キイロスズメバチ」と「コガタスズメバチ」の巣は、巣盤を完全に外被がおおっていて巣内は見ることができません。その形状は「球型」「卵型」「半球型」です。なお、「キイロスズメバチ」は壁間など狭い閉鎖空間に作ると、その形状に合わせた形状の巣を作ります。巣には1個の小さな穴があり、そこからスズメバチは巣内に出入りしています。その巣穴から外を監視しているスズメバチの顔が見えます。
「コガタスズメバチ」の巣は バレーボールくらいまでの大きさが限界ですが、「キイロスズメバチ」の巣は、直径50cmを超える大きさになることもあります。
「春先に越冬を終えた女王蜂が単独で作り始めたばかりの巣(初期巣)は、アシナガバチとスズメバチでは大きく異なっています。
スズメバチの初期巣は、種類によって形が異なりますが、巣盤を外被でおおっています。一方、アシナガバチの初期巣は巣盤が いつもむきだしになっています。
わたしたちの身近にいる「キイロスズメバチ」と「コガタスズメバチ」、「セグロアシナガバチ」と「コアシナガバチ」を例にとって、それぞれの初期巣を写真で紹介します。
アシナガバチの巣は見える場所に作り始めることが多く容易にアシナガバチの巣を見つけることができます。ところが、キイロスズメバチ、オオスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチの巣は土の中や樹洞など閉鎖的な空間に作られるため初期巣は見つけることが難しいです。一方、コガタスズメバチは、開放的な空間にだけ作るので軒下に作った初期巣は容易に見つけることができます。
アシナガバチは建物の軒下や木の枝、外壁など開放的な場所に作ることが多いです。「キアシナガバチ」、「フタモンアシナガバチ」、「コアシナガバチ」を例にとして写真で紹介します。
スズメバチは、種類によって巣を作る場所が異なってバラエティーに富んでいます。
アシナガバチと同様に建物の軒下や木の枝など開放的な場所に作るスズメバチもいますが、閉鎖的な空間である土の中、天井裏、床下、壁の中、樹洞などに好んで作るスズメバチもいます。
また、どのような場所にも器用に巣を作るスズメバチもいます。キイロスズメバチ」、「コガタスズメバチ」、「オオスズメバチ」を例として写真で紹介します。
飛ぶ姿から「アシナガバチかスズメバチか」おおまかな判断はできます。
アシナガバチは,後脚をダラっとたらすようにして、フワフワとゆっくり飛びます。
スズメバチは後脚をたらさずにスマートに直線的にすばやく飛びます。
スズメバチは腹部の部分が直角で砲弾型をしており,胸部と腹部のくびれが非常にはっきりしています。
アシナガバチではこの部分がなだらかに太くなっており,スズメバチよりも全体にほっそりしています。
この特徴を比較するためにキイロスズメバチの働き蜂とキアシナガバチの写真を参照してください。
見分けるには,ハチが静止しているような状態で,じっくり観察できる場面が必要です。
ハチの顔を正面から見ると中央に鼻のように見える頭楯(とうじゅん)と呼ばれるものがあり,ハチの種類によって頭楯は特徴的な形をしています。
雌成虫である働き蜂と女王蜂の頭楯の形は、スズメバチの場合は6角形型で、アシナガバチの場合は5角形型です。
下の写真は「キイロスズメバチ」と「キアシナガバチ」の働き蜂の顔です。
面白いことに雄成虫の顔は、雌成虫の顔とは特徴が大きく違いますので ご注意ください。その雄成虫と雌成虫の違いを「キアシナガバチ」を例にとって写真で紹介します。女王蜂と働き蜂は、同じ顔をしています。
この観察には,ハチが死亡しているような状態であることと虫眼鏡が必要になります。
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